無人コンビニ「Amazon GO」

アメリカはニューヨークの中心にあるマンハッタン。

WEBマーケティングカンファレンス「SMX east 2019」へ出席する為に渡米したのですが、マンハッタンの街を歩いていて目に止まったのが「Amazon GO」の看板の文字。

Amazon GOとは、もうすでに世界中で認知されていると言っても良い所謂「無人コンビニ」なのですが、これは車の自動運転などで使われているディープラーニング、コンピュータビジョン、そしてセンサーフュージョン技術が活用された、スマートフォン一つあれば店内で簡単且つスムーズに決済が可能。これこそ誰もが想像した事があるであろう近未来技術の一つと言えるだろう。

ただ「無人コンビニ」という呼称で日本では認知されている印象ですが、文字通り「無人コンビニ」というわけではなく「レジ無しコンビニ」と言った方が相応しいかもしれない。

というのも配送されてくる商品を受け取ったり、店頭に並べたり、コンピューターの管理や店内で何かしらのトラブルがあった場合は実際に人間の手で対応しなければならない。

ともあれ実際に店内に入って実際に買い物をしてみた所、まずAmazon GOの店舗の入り口には駅の改札ゲートの様な機器が設置されており、そこに携帯をかざしてQRコードを読み取りゲートが開くという仕組み。

Amazon GOの利用に当たっては予めAmazon GOのアプリをスマートフォンにインストールし、そこにUSアマゾンのアカウントでログイン、クレジットカード情報を入力するだけで完了する。私の場合、事前にアプリをダウンロードしていなかったので、店内に入るゲートの前でアプリをインストールして登録したのだがその際にも店員さんが丁寧に教えてくれました。

そしてお店に入ると棚に並べられている商品をバックに入れ、あとは何もする事なくそのままお店を出れば決済が完了される。コンビニやスーパーなどと違ってショッピングカートもなければレジもなく、商品を手に取るなりバックに入れるなどしてそのまま店を出れば良いだけなので会計時にレジに並ぶ手間が一切なくなる為、時間短縮に大きく貢献されるのは間違いないだろう。

普段の生活で買い物をする際、商品を手に取ってレジに並んで購入するというプロセスを踏む事が常識となっている私達からすると商品を手に取ってそのままお店から出るという行動を実際に取ってみると、本当に大丈夫なのかと、悪い事をしているかの様な心理が働いてしまうのだが、商品を持ってお店を出た時点で決済が完了され、その数分後にはアプリ上に決済の内容が表示される。

驚いたのは、複数人で店内に入る場合、自分以外の人がアマゾンアカウントを持っていなくても、人数分QRコードをゲートで読み込めば入店可能であり、更に品物をそれぞれ別々に持って別々にお店を出て行ったとしても決済が、入店時に読み取ったQRコードのアカウントにしっかり届くようになっていた。

またニューヨーク・デイリー・ニュースによれば、システムのエラーに気づいたり、商品に満足しなかった場合はAmazon GOアプリ内で払い戻しが可能であり、更には商品の返品は必ずしもしなくても良いとの事。

もちろん全ての商品、お客に対してこれらが成立されるのであれば実質全て無料になりえてしまうので何かしら細かい条件があるとは思うのですがさすがはAmazonという所でしょうか。

また気になるになる店内の商品なのですが、サンドイッチやサラダなどの生鮮食品から、お酒やジュース、ポテトチップスやガムなど通常スーパーやコンビニで販売されているものは一通り揃っており、また紙コップを手に取ってセルフでコーヒーを汲むコーヒーマシンなどもあり、これもレジ無しでそのまま店外へ持って出られる。

この商品を手に取るだけで決済が完了されるシステムは正に画期的な技術の進歩と言わざるを得ないと私は思いました。

そしてAmazon GOではこのシステムを「Just Walk Out Technology」と呼んでおり、この「Just Walk Out Technology」を可能にしているのが、店内に張り巡らされているカメラとマイクや、棚に設置されたセンサーの組み合わせが可能にしているとの事で、ディープラーニング、アルゴリズムによって人の動きを追跡し、一度手に取った商品を棚に戻すという様な動作も正確に捉え、天井に張り巡らされたカメラによって来店客の動きを正確に把握しているとの事。

ただ気になるのが、2019年4月にAmazon GOで現金の使用が可能になるという報道があり、時期や理由についてはまだ明らかになっていませんが、フィラデルフィアでキャッシュレス店舗を禁止する法令が可決されたり、ニューヨークやサンフランシスコでも同様の法令が検討されているなど、技術的な問題というより法的な問題が障壁になってこの様な技術を利用できないという別問題が発生してしまっている地域もアメリカ国内ではあるそうです。

また日本でAmazon GOが展開される可能性について今はまだ発表されてませんが、もしこの様な無人コンビニならぬレジ無しコンビニが日本でも展開、普及される事になれば、普段の私達の生活にも大きく影響されていくのではないかと思わせてくれるAmazon GOの初体験でした。

もしアメリカへ訪れた際、この「Amazon GO」へ立ち寄ってみるのも一興かもしれませんね。 

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